2011年5月3日火曜日

非常勤講師

大学からはじめて仕事のオファーをいただいたころのこと。

『非常勤講師』: 非常事態に対応すべく勤務する講師

きっと今、大学は非常事態の大ピンチなのだろう。
もう、こうなったら、最後の手段だ、とばかりに
スーパーマンを呼ぶべく「Help!」と叫ぶように
バットマンを呼ぶべく、バットシグナルを出すように
アンパンマンを呼ぶべく、(・・・どうすれば来てくれるんだろう)
この私に声が掛かったのだ。
「この大学を救えるのは、あなたしかいません」と。

私は正義の味方のヒーローに変身する必要がある。
どうしたら変身できるのか。
彼等の共通点は、割れた腹筋だ。
スーパーマンも、バットマンも、割れている、たぶん。
アンパンマンは例外かもしれない。でも、丸顔の割りに体は締まっている。
仮面ライダーもウルトラマンも割れている。

そうだ、腹筋を割ろう。

スポーツジムに入会し、毎晩筋トレを続けていると、ジムのトレーナーから声を掛けられた。
「熱心ですね」
「ええ、何だか明日辺り、腹筋が割れそうな気がします。バリッと大きな音がしたらゴメンナサイ」
「腹筋は割れても音はしませんよ、ご心配なく」
蓮の花は咲くときにポンッと音がするらしいが、腹筋は割れても音はしないの?
ちょっと、がっかり。

いずれにせよ、健康な肉体を維持し、健全な精神をもって、教育という奉仕活動をしよう。
大学の直面する大ピンチを救うために
常勤の先生方では対応できないほどの大ピンチを救うために
非常勤の私が必要とされているのだから!

あれれ?
常勤、非常勤って
常勤の先生でないから、『非・常勤講師』だったの?
『非常(事態に対応すべく)勤(務する)講師』じゃなかったの?
私は正義の味方のヒーローとして呼ばれたんじゃなかったの?

まあ、まあ、いずれにせよ、
これからも健康な肉体を維持し、健全な精神をもって、教育という奉仕活動を続けよう。
今、大学は大ピンチに直面していないかもしれないけれど、
いざ!というときには、日頃の小さな積み重ねが物を言う。
だからやっぱり体は鍛え続けよう。

この春、きっと多くの人たちが特別に複雑な思いを抱えているであろう、
そんなこの春も、可愛い一年生たちが来てくれた。
さあ、大学生活を、数学を、人生を、一緒に楽しもう!
今、あなた方は大大大ピンチには直面していないかもしれないけれど
いざ!となる前の小さな兆候に気付くことができるように、
そしてそんな時、ほんのチョッピリでも力になれるように、
日頃から、大学生活を、数学を、人生を、私自身が楽しめるだけの心身の体力をつけておこう。