ずっと、嘘はつきたくない、と思ってきた。
ところがこのところ、自分の言葉が、どこか嘘に聞こえる。
「お父さん、もうすぐお彼岸だよ。お母さんがおはぎを作ってくれたら、一緒に食べましょう」
「明日の手術が終わったら、食事を摂れるようになるんだって!
そうしたら元気が出るから、きっとすぐ家に帰れるね。楽しみだな」
「何年か前に一緒に行った温泉、あそこ良かったよね?また行こうよ!」
嘘をつくつもりはないけれど、現実的とも言い難い言葉たちについて、
それが嘘かどうかの判定を試みること自体、お門違いなのだろう。
だから、これらが嘘かどうかは、考えないことにしよう。
でも、やっぱり、できれば嘘はつきたくない、と思う。
いや、やっぱり、これらが嘘にならないでほしい、と思う。