2017年5月14日日曜日

山また山を見ず

ゴールデンウィークの直前、ママから電話があった。
「連休には帰ってらっしゃいよ」

私には第二の家族がある。
血の繋がりも何も無い相手だが、もう20年以上のお付き合いになる。
盆だ正月だと言っては、毎年のように『帰省』していたけれど、
ここ2年ほどだろうか、互いのどちらかの都合がつかずに、ご無沙汰していた。

そしてその『ママ』から、『帰ってこい』と電話があったのだ。

電話口のママは続けた。
「何よ。暦通りにしか休めないの?
 短いわね。中三日じゃない。
 それに連休にピッタリ合わせたら、交通費も高いわよ。
 まあいいわ。
 とにかく、今すぐ切符を予約しなさい。
 大事なのは日数でも費用でもない。
 私たちが実際に会うってことなんだから。」

大事なのは、私たちが実際に会うってこと

何十年も前に読んだ、否、読み聞かせてもらった文が頭に浮かんだ。
「山また山を見ず。人また人を見る。」

どこかの国のどこかの地域の、ことわざか何からしい。
山は、他の山に会いたいと思っても、お互い動けないから、会いに行くことはできない。
でも人は、誰かに会いたいなら、お互い生きてさえいたら、会いに行くことができる。
そんな意味合いと説明されていた。

電話を切ると、すぐさま交通手段を探した。
切符が高くても、駅や空港が混雑していても、まあいいか。

だって、
会いたい相手がいるんだもの。
そのうえ、せっかく、お互い生きているんだもの。