2011年7月26日火曜日

走れるお守り

数年間携わってきたプロジェクトが終了し、そのための事務所に通わなくなった。
だから事務所付近で入会していたジムを退会した。
とうとう腹筋を割ることができなかった。

筋トレをしていると、その筋肉に意識を集中する。
自分の中に湧いてくる雑念も、その筋肉に集まってくる。
そして、汗や吐息と一緒に搾り出されて消えてなくなってしまう。
さて、ジムをやめた今、筋肉が緩んで、溢れかえる雑念に押し潰されはしないだろうか。

・・・と思った頃に、このブログを始めた。
湧いては来たけれど、筋トレで汗と共に流すことのできなかった雑念を、ここに書いていると、
実際に書かれたものも書かれなかったものも、キーボードの上に落っこちて、
不思議と少しばかり気分が軽くなった。

ところが、ある日、ふとした拍子に、ついランニングシューズを購入してしまった。
あくる日には、気付いたらスポーツ用品店に出向いていた。
ランニング用の吸汗速乾のシャツを選ぶ旨を店員さんに伝えると、
「続けられなかったときのために、最も安価で、くつろぎ着としても使用できるデザインのものを」
と勧められ、助言どおりの品物に決めた。
「でも本当に明朝から走ります」と宣言する私に、
店員さんは小さな『走れるお守り』を手渡した。
そして、「走り続けていることを、いずれ報告しに来てください」と付け加えた。

そのまたあくる日の朝から、走り始めた。
自分でも文字通り三日坊主になるだろうと高を括っていたが、
今のところ、雨降りの朝以外は『走れるお守り』と一緒に走っている。

走っていると、体が振動する。
その振動に刺激されて、雑念が余計に湧いてくる。
そして、同じその振動で、湧いてきた雑念が次々と振り落とされる。

走っている最中、あんなにも浮かんで来た様々な雑念が、
シャワーを浴びる頃には、跡形もなく消えてなくなってしまう。
お蔭で、このところブログから遠のいていた。
もう少し体力が付くと、いくらかの雑念は持ち帰るようになるのかもしれない。

走り始めて、もうすぐひと月。
とりあえず、一ヶ月続いたら、あのスポーツ用品店に行ってみよう。
そして、改めて『走れるお守り』のお礼を言おう。