池のほとりに、立派なカメラを構えた少年、もとい、むかし少年だった紳士がいた。
時々立ったりしゃがんだり、右へ左へずれてみたりしては、
真剣にカメラを構え、シャッターを切り続けている。
今にも、「良いねぇ、その表情。じゃ、横からも撮ってみようか?」という声が聞こえてきそうだ。
その様子は、差し詰め、グラビアアイドル撮影という光栄に浴するカメラ小僧、といったところだ。
少し進むと、やはり池のほとりに、別の人影が見えた。
やっぱり彼も、立派なカメラを構えた、そのむかし少年だった紳士である。
そしてやっぱり、時々立ったりしゃがんだり、右へ左へずれてみたりしては、
真剣にカメラを構え、シャッターを切り続けている。
今にも、「 良いねぇ 、その表情。じゃ、横からも撮ってみようか?」という声が聞こえてきそうで、
差し詰め、グラビアアイドル撮影という光栄に浴するカメラ小僧、といった様子も、やっぱり同じだ。
ぐるりと走って二周目に入り、最初のカメラ小僧の場所に戻ると、
カメラ小僧は更に二人増えていた。
皆、池のほとりに立ち、池に向かってカメラを構えている。
ところで、肝心なグラビアアイドルはどこだろう?
カメラの構えられた先、池のほうに目を向けると、今年最初の蓮の花(*)が咲いていた。
なるほど、これがグラビアアイドルだったのか!
あれから、
池のほとりのカメラ小僧と、池に咲くグラビアアイドルとは、まるで競い合うように、
日を追って増えている。
池のほとりのカメラ小僧と、池に咲くグラビアアイドルとは、まるで競い合うように、
日を追って増えている。