2013年5月6日月曜日

不眠症

どうにも眠れない夜が幾晩か続いた。
これは不眠症というものだろうか。
実家に帰った折、家族に相談すると、驚きと心配との混ざった様子で尋ねられた。

「目が冴える感じ?それとも、眠いのに眠れないの?」
「眠たいけど、布団に入って目を閉じても全然眠れない」
「布団の中で『眠れない』と思っているのは、どれくらい長い間?」
「ずーっと長い間」
「具体的には、何時間くらい?」
「……5分くらいかな。ご質問に合わせて単位を直すなら、1/12時間くらい」
「それは不眠症どころか、人も羨む寝つきの良さだ。贅沢を言うな」
兄弟たちは口々に私を責めた。

確かに、一般的には仰る通り、かもしれない。
しかし当の私にとっては、この5分間こそが如何とも耐え難く、長い長いものなのだ。
誰か、この辛さを分かってくれる人はいないだろうか。

すると、それまで黙って聞いていたが口を開いた。
「枕に頭がついた時点で、まだ眠っていないなんて、さぞ辛いでしょうね」

どうやら私は、間違いなく母の血を引いた子らしい。