2018年8月17日金曜日

ビビンゲ一揆

鏡の前に立つと、頭頂部に何かを発見した。

ビビンゲ。

特段、天然パーマでもない私の髪の中に、縮れ毛が見られる時がある。
この縮れ毛のことを、物心ついた頃からこう呼んでいる。

何だか最近ビビンゲが増えた気がする。
そう思ったら、居ても立ってもいられなくなった。
ビビンゲを一本だけつまみ、ハサミで根元からチョキンと切った。
切ったビビンゲは、振幅3mm、周期20mmほどでサインカーブを描いている。

鏡に目を戻すと、おや、もう一本ビビンゲが。
一本だけつまみ、ハサミで根元からチョキン。
おや、また一本。
……
そうこうするうちに、気付けば30分が経過していた。
手元には、切ったビビンゲがこんもりと山になっている。
私は罪のないビビンゲをこんなにも迫害してしまった。
ごめん、ビビンゲ。

あれから何か月経つだろうか。
鏡の前に立つと、頭頂部に何かを発見した。

ビビンゲ、否、ビビンゲたち。

根元で切ったビビンゲたちは、一斉に勢いよく伸びていた。
もちろん、他の頭髪だって同じくらい伸びているのだろうが、
3センチほどに伸びたビビンゲたちは、総じて、実に勢いよく立っている。
さながら、頭頂部に温泉マークを密生させたようだ。

そうか。
私から迫害を受けたビビンゲたちが、一斉に立ち上がったのだ。
もう我慢できないと、鬨の声を揚げて、束になって掛かってきた。

これからしばらくの間、私は
頭頂部に温泉マークを密生させた状態で社会生活を営むことを余儀なくされた。
あの時は本当にごめん、ビビンゲたち。