2011年5月14日土曜日

一旦自分で決めたことを守り通す

「一旦、自分で決めたことは、守り通すべきだ」
子どもの頃、何人かの大人たちからそう言われた。
社会人になって以降、守り通そうとしていることが一つだけある。
それは、
『ソフトクリームのオブジェを見たら、必ずその場で食べる』

店先で、巨大なソフトクリームのオブジェを時折見かける。
「当店ではソフトクリームを扱っています」という意味の、高さ1m弱のプラスチック製の置物だ。
あれを見たら、必ずその場でソフトクリームを買い、その場で食べる。
しかも、雨降りの日以外は店内で食べるのは禁止。
あくまでも屋外で風に吹かれながら食べてこそのソフトクリームだ。

簡単そうに見えて、実際にこれを守り通すのは、難しい。

まず、寒いとき、これは辛い。
そして、さっき食べたばっかりのとき、これはもっと辛い、と言うより、無理。
更に、体調の優れないとき、これも絶対無理。

自らの肉体のメンテナンスは欠かせない。
これに加え、気温やタイミングなど、運も重要な要素となる。

大学の学食には、ソフトクリームのオブジェがある。
つまり、ソフトクリームを扱っている。
バニラ、フレーバー①、バニラとフレーバー①のミックス、フレーバー②の四種類があり、
フレーバー①はおよそ1、2週間で、フレーバー②は気まぐれに入れ替わる。

大学に通い始めて間もないある日、授業を終えてから学食に向かった。
学食の前にはオブジェが出ている。
フレーバーは何だろう、と胸躍らせて近付いてみると、
オブジェはネックレスをつけている。
ペンダントトップ部分は小さな看板になっており、
 「今日のアイスは終了しました」
とある。
一瞬、立ち止まった。しかし、
「終了したのはアイスであって、ソフトではない」と気を取り直して店に入った。
ソフトクリームを注文すると、「今日は終わりました」との答えが返ってきた。

翌週、授業終了後に学食に行くと、オブジェは一週間前と同じネックレスをつけていた。
そして私の注文に対する返答も、「今日は終わりました」だった。

その翌週も、そのまた翌週も、同じことが繰り返された。
その間、店内に掲示されたフレーバー①も②も、次々と新しくなっていった。
週を追うごとに日差しは強くなり、気温は高くなった。
ソフトクリームへの思いも、日差しや気温と同様、強く、高くなっていった。

ある日、お決まりとなりつつあった3点セット、
ネックレス付きオブジェと注文と「終わりました」を繰り返した後、店員さんに尋ねた。
「一体全体、何時に来ればソフトクリームがいただけるのでしょうか?」
「金曜日は早めに終わるんです。木曜日までに来てください」
「非常勤なので、担当する授業のある金曜だけ、片道2時間かけて来ているんです。
他の曜日には来ることが出来ません。どうか私を哀れんでください」
「3時までに来てください」
「わかりました」

・・・とはいったものの、万が一のことを考えると、
3時より前、つまり授業開始前に冷たいものを食べるだけの自信を持てる日は少ない。

そんなわけで、社会人になって以降守り通してきた唯一のことが、このところあまり守れていない。