まず、先生が私の口中を一通り眺め、何の武器も手に取らず、
「キレイにしてますね」と言ってくれると、この上なくホッとする。
今回は、この決め台詞のあとに、念押しのような質問が続いた。
「デンタルフロスは、毎日してますよね?」
「えぇ、昨夜から毎日、いえ、毎食後にしてます!」
「昨夜から、ですか?」
「はい。昨日の晩ご飯の後と、今日の朝ご飯の後と、昼ご飯の後、歯磨きもフロスも『親の仇!』ってくらいにゴシゴシやりました」
「昨夜より前は?」
「昨夜以降の歯磨きは気合を入れたので良く覚えているんですが、それ以前の歯磨きはどうも印象が薄くて」
「正直なんですね」
「はい。それだけが取柄なんです!」
「まあ、口の中を見れば分かるんですけどね。……正直なのは良いことですよ」
「!」
なんと歯医者さんは、口の中を見れば、その人が正直かどうかまでも分かってしまうらしい。
しかも、その歯医者さんが太鼓判を押してくれた。
正直なのは良いことだ、と。
よし、これからも正直に生きていこう。
そして半年後には、「殆ど毎日フロスをしました!」と言えることを目標にしよう。
そして半年後には、「殆ど毎日フロスをしました!」と言えることを目標にしよう。