2012年12月22日土曜日

心の友

ラジオをつけると、音楽が流れてきた。

んっ?聞き覚えがあるようだ。
いやいや、聞き覚えどころではない。とても耳慣れている。
何だっけ、えーっと・・・

そう思うが早いか、パブロフの犬よろしく、口中では食事の準備が整ってきた。
同時に、私の心は、けんちん汁で満たされた。
お腹ではなく、飽くまでも心だけだけど。

そうそう、これは、あの定食屋さんでいつもかかっている曲だ!

滅多に外食をしない私が、年間で20回ほど通う定食屋さんが一軒だけある。
そこで出されるけんちん汁が、大のお気に入りだ。
そして、そこでいつもかかっている曲こそが、今まさにラジオから流れている、この曲だ。

わーい、けんちん汁のテーマソングだ!

この曲を聴いたからと言って、目の前にいつものけんちん汁が出てくるわけではないけれど、
なんだか嬉しくなってきた。

きっと、この曲を作った人は、けんちん汁を思って作ったのだろう。
きっと、歌い手さんも、けんちん汁を思って歌っているに違いない。
そして、きっと、今、ラジオから流れるこの曲を聴いて、けんちん汁を思っている人が、
日本のどこかにいるかもしれない。
そんなみんなは誰だって、たとえ顔も名前も知らなくたって、みんなみんな、心の友達さ!
そう思うと、わくわくした。

歌が終わると、ラジオは言った。
「ただいまの曲は、レディー・ガガの、・・・」

なんと、
けんちん汁のテーマソングは、レディー・ガガの持ち歌だった。

レディー・ガガも、けんちん汁が好きなのかな?

うん、きっと好きだ!
きっと、レディー・ガガも、あの定食屋さんが、あのけんちん汁が、好きなんだ!
だからこそ、あの定食屋さんのために、あのけんちん汁のために、
この曲、つまり、けんちん汁のテーマソングを書いて、そして歌ったんだ!

どういうわけか、勝手に確信してしまった。
それからというもの、レディー・ガガを、秘かに「心の友」と呼んでいる。