2011年12月5日月曜日

女心・確認

町内会の掲示板の前で、思わず足を止めた。
そこに貼られたポスターには、標語としてこう書かれている。

 女心・確認

この町内会の掲示板、比較的オカタイ感じのお知らせしか見たことがない。
それが、この度ばかりは、あまりにも謎めいている。

男性諸氏への警鐘か、それとも、女性向けか?
いずれにせよ、何に注意を促そうと言うのか?

前者の場合、
「独りよがりな言動をして、実は女性たちから軽蔑されるようなことのないために、
まずは女心を確認してから、発言や行動をしましょう」
ということだろうか?

そもそも、どのような場面を想定しているのか?
職場、家庭内、友人同士、それとも近所づきあいか、はたまた恋人同士か?
いずれも当てはまるようでもあり、
かと言って、ことさらにポスターにまでする必要性もピンと来ない。

一方、後者の場合、
「あなたは、日々の暮らしに追われて、自分が女であることを忘れてはいませんか?
時には自らの内なる『女心』の存在を確認し、その声を聞き、それに従って生きてみましょう」
ということだろうか?

少なくとも私には、心当たりが、・・・ないこともない。
胸に手を当てて考えれば考えるほど、心当たりは、ある。確かに、ある。
しかし、こんなにも身につまされることを、
なにもそんなポスターにまでして貼り出すなんて、ずいぶん酷な仕打ちではないか。

大きく縦書きされた四文字を眺めながら、掲示板の前で呆然と立ち尽くし、そして我に返った。
改めてポスターの下のほうに書かれた小さな字を読んでみると、
「防炎マークの付いた製品を使いましょう」という内容だった。

「防炎マーク」と「女心」、一体どんな関係があるのか?
驚くべき進歩を遂げた現在の科学技術をもって作られた防炎マーク製品は、
女心が炎に包まれることまで防げる、とでも言うのだろうか?


掲示板には、幅の狭い雨よけ屋根が付いている。
ほんの少しだけ背を屈めて屋根の下を覗いた。
屋根の下、女の上には、「ウ」があった。
 安心・確認
と書いてあった。
「防炎マークがついていることを確認し、安心して製品を使用しましょう」というポスターだった。

「うかんむり」が屋根に隠れていたことを確認し、安心して帰宅した。