そこに貼られたポスターには、標語としてこう書かれている。
女心・確認
この町内会の掲示板、比較的オカタイ感じのお知らせしか見たことがない。
それが、この度ばかりは、あまりにも謎めいている。
男性諸氏への警鐘か、それとも、女性向けか?
いずれにせよ、何に注意を促そうと言うのか?
前者の場合、
「独りよがりな言動をして、実は女性たちから軽蔑されるようなことのないために、
まずは女心を確認してから、発言や行動をしましょう」
ということだろうか?
そもそも、どのような場面を想定しているのか?
職場、家庭内、友人同士、それとも近所づきあいか、はたまた恋人同士か?
いずれも当てはまるようでもあり、
かと言って、ことさらにポスターにまでする必要性もピンと来ない。
一方、後者の場合、
「あなたは、日々の暮らしに追われて、自分が女であることを忘れてはいませんか?
時には自らの内なる『女心』の存在を確認し、その声を聞き、それに従って生きてみましょう」
ということだろうか?
少なくとも私には、心当たりが、・・・ないこともない。
胸に手を当てて考えれば考えるほど、心当たりは、ある。確かに、ある。
しかし、こんなにも身につまされることを、
なにもそんなポスターにまでして貼り出すなんて、ずいぶん酷な仕打ちではないか。
大きく縦書きされた四文字を眺めながら、掲示板の前で呆然と立ち尽くし、そして我に返った。
改めてポスターの下のほうに書かれた小さな字を読んでみると、
「防炎マークの付いた製品を使いましょう」という内容だった。
「防炎マーク」と「女心」、一体どんな関係があるのか?
驚くべき進歩を遂げた現在の科学技術をもって作られた防炎マーク製品は、
女心が炎に包まれることまで防げる、とでも言うのだろうか?
驚くべき進歩を遂げた現在の科学技術をもって作られた防炎マーク製品は、
女心が炎に包まれることまで防げる、とでも言うのだろうか?
掲示板には、幅の狭い雨よけ屋根が付いている。
ほんの少しだけ背を屈めて屋根の下を覗いた。
屋根の下、女の上には、「ウ」があった。
安心・確認
と書いてあった。
「防炎マークがついていることを確認し、安心して製品を使用しましょう」というポスターだった。
「防炎マークがついていることを確認し、安心して製品を使用しましょう」というポスターだった。
「うかんむり」が屋根に隠れていたことを確認し、安心して帰宅した。