お向かいのお嬢さんは、べっぴんさんである。
世のべっぴんさん達の少なからずがそうであるように、彼女はワイルドだ。
そんな彼女の趣味は『狩り』である。
いつもは穏やな物腰で、チョット色っぽくさえ見える彼女だが、実は常に獲物を狙っている。
身近なところに思いがけない獲物を見つけては、いつの間にやら『狩り』を成功させてしまう。
『狩り』を成功させた彼女は、
なぜか私のアパートの入り口に、しとめた獲物、即ち、彼女の宝物を、一旦置く。
どうやら彼女はこの場所を、宝物第一次置場と設定しているようだ。
敢えて自分の家を避けるあたりが、何とも謎めいていて、べっぴんさんらしい。
更に彼女は、宝物が新鮮な間のみ、第一次置場に保管し、愛でて楽しむ。
その判定基準は未だ明らかでないが、新鮮さがなくなったと判断すると、
人知れず、そして、いずこへとも知れず、彼女は宝物を第一次置場から持ち去る。
これもまた、何とも謎めいていて、べっぴんさんらしい。
これまでに第一次置場に置かれた彼女の宝物を、改めて思い返すと、
必ず、前回よりも『大物』が、次の獲物になっていることがわかる。
この事実から、彼女の『狩り』に対する強い向上心が窺える。
そんな気の強さも、やはり、べっぴんさんらしい。
①バッタ
②コオロギ
③ゴキブリ
④ねずみ
そしてこのゴールデンウィークは、
⑤お魚
だった。
お向かいの、べっぴん猫のお嬢さん、お願いだから、どうか②までで勘弁してください!