ある猛暑の週末、団扇を片手にウトウトしていた。
朦朧とした状態で、起き上がることさえできない。
もしかして私、暑さで、どこか壊れてしまったのかしらん?
「壊れていても、構いません」
えっ、何、今のは?
天の声?
言われてみれば、我々生きた人間は、どこまでも不完全な存在だ。
どんなに健康そうに見える時でも、実のところ、どこかしら壊れているものなのかもしれない。
どこか壊れていても、構わない。
それはそれとして、受け止めて生きていくこと、それこそが人生なのかな。
それにしても今の私は、暑さに負けて、朝ごはんのあと、起き上がることさえできずにいる。
本当にどこか壊れたかもしれない。
もし、本当に壊れていても、本当に構わないものだろうか?
現実的に困ることが、色々と出てくると思うんだけど・・・
「分からないことや、困ったことがありましたら、お気軽に、ご相談ください」
この天の声、ずいぶん親切なアフターサービスが付いている。
一体、どちらの天の声だろう?
「こちらは、廃品回収車です」
なぁ~んだ!
いっぺんに起き上がった。
グズグズと始められずにいた食事の片付けも部屋の掃除も、ついでに一週間分の買出しも、
天の声のお蔭で、ゴキゲンに済ますことができた。
するとやはり、あれは本物の天の声だったのだろうか。