何となく好きな人がいる。
大学の事務室で出勤簿に押印する時、大抵は彼女が対応してくれる。
ただ挨拶をして、事務的に判を押すだけの数十秒間、何を話すわけでもない。
それでも、明るく輝く瞳と爽やかな笑顔を見ると、
これからラッキーなことがありそうな気がする。
その彼女と、チョットだけ立ち話をした。
話の枝葉のところで、小さな告白があった。
「先生(*)って・・・前から、その・・・何て言うか、可愛らしいなって思ってたんです」
「可愛らしい」という言葉が文句なしに当てはまる年齢ではない私に、
ためらいがちにも、この表現を選び抜いた、というその話し振りから、
この単語を、今、私のために特別に定義し直してくれたように感じられた。
それが嬉しかった。
可愛らしい : 愛すること(*)が可能であるらしい
愛されること、与えられることを求めるのではなく、
愛すること、与えることを喜びとし、そこに価値を置く。
そんな印象を受けましたよ、と言われた気がした。
ラッキーなことに、また一人、素敵な理解者を見つけてしまった。
授業前のひと時、ソフトクリーム(*)を片手に、芝生に腰を下ろして、日向ぼっこをした。
木々の葉は恥じらいがちに赤らんでいた。
冷たい風に、だいぶ体温を奪われたけれど、
不思議と、寒く感じなかった。